ライラ_05_23/10/17

京都に行って実家に帰ってこれを書いています。なんだか実家で書いてばかりだな。家事や買い物をしなくていいので実家だと時間があります。

猫、元気です。お腹がゆるくなってトイレを失敗するようになったのでトイレの周りにペットシーツがしいてあって、ビオフェルミンをちゅーるに混ぜて食べさせるようになった他は変わりなく。元気に深夜徘徊して鳴いています。カリカリも食います。

寒くて鼻を白くしてるのが気の毒なので、よきペット用ヒーターとかあったら教えてください。

 

久々に祖父に会って京都土産を渡しました。彼が壁にかかった幼い頃の私の写真を見ながら、早く結婚して孫を見せてくれと言いますので、好い人はいるが結婚はまだだよと事実を教えました。日本の制度が変わった上で私が大金持ちにならない限り、すまんが私で末代だ。分家でよかったな。

 

京都は楽しかったです。

今年は金木犀がどこに行っても香ってきました。何なら銀木犀もふわふわ香っていたかもしれません。金木犀の練香や線香が期間限定で売っていて、そういえば今年はハンドクリームやらヘアオイルやら何もかも金木犀で売っていますね。流行っているみたい。

実家の玄関前にも咲き誇っていて、主張が激しいです。

 

伏見の寺田屋月桂冠の酒蔵を見学しました。

寺田屋、思ったより京都の中央部から離れてるんですね。すぐ近くに川が流れてて船に乗れたけど、酒の試飲をしすぎたのでやめました。

銃痕とか刀傷はあるし資料は山のようにあるし、なんか窓から物干し場は見えるし、風呂場は割と道から遠いしで、意外性に溢れてました。宿というには小さい家っぽい感じ。

 

月桂冠の名前ってどこから来たか知ってますか?オリンピックに因んで、世界から評されるようなお酒を目指そうと月桂樹のかんむりを名付けたそうです。

実際、海外でSAKEとして有名らしいのですごいですね。

 

現代の酒造りはほぼほぼ機械化されていて、山口県岩国の獺祭なんかが特に有名です。人の手を使わずオートメーションに成功し、安定した品質を保つのに成功したのは獺祭が初めてだとか。

 

月桂冠もほとんどは機械化しているのですが、米の出来やら何やらでやっぱり人の手は必要らしいです。私が見た酒蔵は、わざと機械化しないで人の手でお酒を作っているところ。

昔、菊石という地元の酒蔵も見学したことがあるのですが規模が違いましたね。菊石がサッカーコートくらいなら月桂冠はアフリカくらい蔵が大きかったです。

入った瞬間にふんわりと甘くて、花粉のような、甘酒のような、思わず唾液を飲み込む香りが漂っていました。蔵付きの麹とかのにおいでしょうか。木造特有の木の落ち着く香りも混ざって素晴らしい空間でした。

勿論原酒を試飲させて貰いました。すっと喉に入っていくきりりとした味わいの大吟醸、少し香りが立っていてまろやかな米の旨みが美味しい本醸造、あと酸味と甘みが際立っている飲みやすい新作の純米酒。私の一番の好みは本醸造です。大吟醸も美味しいけれど、私は米らしい雑味も少し残っている方が好き。

他にも色々試飲して、ひときわ美味しくて気に入ったものがその酒蔵の限定酒かつ胃袋が飛び出る値段をしていたので買うのはやめました。私が石油王だったら買い占めていたと思います。

 

泊まっているホテルの近くに創業三百年以上のお豆腐屋さんがありまして、そこの柚子豆腐を買ってホテルで食べました。多分人生で一番美味い柚子豆腐でした。口にするまでもなく、すくって口元に持っていく段階で柚子の爽やかな香りがしていて、濃い豆腐の味がするのに少しだけ酸味があって、後味にちみっとした苦味を感じさせるのが柚子らしくてそれが豆腐のまったり感と混ざってまた美味しくて。

あとスーパーで買ったホタテの貝ひもをつまみにしました。めっちゃ美味いので近所のスーパーでも売って欲しいです。

 

そろそろ熱燗も美味しい季節ですね。

熱燗って口の広い器に入れて、息を止めて飲むんだとこの前初めて知りました。その方がアルコール臭が薄くなり、鼻から吐き出す良い香りだけ楽しめるんだとか。

でも温かい日本酒から香り立つアルコールっていいと思います。

 

なんだか香りの話が多くなりました。私、香りが好きです。お花の華やかな香りも、ミントの爽やかな香りも、柔軟剤の馴染みある香りも。

でも一度だけ逃げたことがあります。足利フラワーパークで満開の白藤の花トンネルを通った時、むせかえる藤の香りで頭痛がして脇にあった薔薇の庭園に逃げました。あんなに小さくて慎ましやかな姿なのに、頭を割らんばかりの言語化し難いにおいをしていることが信じられなかったです。トンネルだから風がなくて余計ににおいがこもったんだと思います。

一度囲まれてみてください。満開の藤の花。頭痛がするので。

 

今、推しが使っているのと同じアンドハニーのシャンプーを使っているのですが、終わったら甘い花の香りのボタニストのシャンプーにしようと思ってます。

みんな、シャンプーとか柔軟剤、どんな香りが好きですか?

私は『ローズ!!我こそローズなり!!』という甘ったるいくらいのが好きです。ジャスミンとかムスクとかも。とにかくあまあま、フローラルが好き。柔軟剤は成分重視でさらさを使ってます。本当はもっと甘い香りが好きだけど、一緒に暮らしてるのが敏感肌の人だからね。肌荒れしないのが優先だね。

早くシャンプーを変えたいなぁ。

氷炭_05_10/10

冬の気配がする! ハロー、ごはんがどうしても面倒で妥協に妥協を重ね、久しぶりにカップ焼きそばを食べようとしたら小さな袋が5つも出てきて、それぞれに「フタの上で温めてください」「フタの上で温めてください」「フタの上で温めてください」「直前に入れてください」「直前に入れてください」「先に入れてください」「直前にかけてください」と書いてあり、そういう手間が面倒でカップ焼きそばにしたのにこれだったら普通に卵焼きでも作った方が絶対に楽だった!!! と咽び泣きました。今やカップ焼きそばは立派な料理です。こうやって人は老いゆく。

 

あまり書くことがない。秋冬の私はもっぱら編み物、編み物をしながら映画を見る、たまに本を読む、また編み物をする、編み物をしながら小説を書く…の繰り返しなので、特別な出来事は起こらない。今年は着てくれる人が何人かいるので例年より編みがいがある、というのはある。青いセーターを終え、赤いカーディガンを編んでいる。これが終わったら自分の帽子かセーターを編みたい。

 

『グッドオーメンズ』良かったねって話もしたいけど、一人で抱えてしみじみここがよかった、あそこがよかった、って考えているのも好きなので、まだあんまり書かないでおこうと思う。Twitter? あれは思考の外部装置なので別にいいんです、独り言なので。

ああ、でも、この記事がよかったので、これだけは改めて紹介しておきたい。

Smited, Smote, Smitten: A Reading on Queer Longing in Good Omens | Tor.com

クィアリーディングの記事なんですが、執筆者の激情が溢れている。執筆者によるキャラクターの心情解釈部分はさておき(そこが記事のメイン部分だし、すごくよく解釈されていて悲しくて苦しいんだけど、私にとって重要なのはそこではないので)どうして『グッドオーメンズ2』がここまで刺さって痛いのかがしっかり言語化されている。

…and what works for me is that it actually delves into asking the damned question: What if this love is a threat, actually?(意訳:私が本当に打ちのめされたのは、この物語が『では、この愛が脅威となってしまったら?』という忌々しい命題にまで掘り下げられているからである)

愛し合っているからオールオッケーな物語なら飽きるほどに読んだ。手を取り合い社会運動へ立ち上がる物語も。でもそこにある分断と別離を描いた物語は少ないから。 love isn’t enough、と記事が繰り返す。アジラフェルもクロウリーも、どちらも間違っていない。愛し合っていなければこんなに傷付かない。でも、愛、それだけでは十分ではない。私たちは社会から完全に切り離されては生きられない。あーーーーーニール・ゲイマンが、この物語の2作目を今、この時代に書いてくれたことに感謝してる。それが天国と地獄、天使と悪魔というわかりやすいモチーフに置き換えられて行われているということにも。きっと彼らにハッピーエンドを与えてくれると信じてる。(ちなみにイギリスで同性愛が合法化されたのは1967年、同性婚の施行は2014年からだよ)

この記事の締め括りの文章も好きなので書いておきます。日本語訳が下手なのは、本当にごめん。

Theirs has always been a love story. I’m so relieved that finally, like Aziraphale and Crowley, we no longer have to read it between the lines.(意訳:これはずっとラブストーリーだった。アジラフェルとクロウリーが今や言外の愛を探り合う必要がないように、私たちももう行間を読む必要はない。そのことに、私はやっと安堵している)

 

追記:なんか…読んでねというのも不義理なので、訳したものをこっそり貼っておきます。https://fse.tw/CxtBztcb

20230918シロ

めちゃくちゃ久しぶりにブログを書きます。夏をまるごと飛ばしてしまった。

この夏はコロナウイルスが流行り始めて以来にいろんな場所へ行って遊んできました。このブログを書いているメンバーも、氷炭さん以外には会えたと思う。

展示も三つぐらい行ったんだけど、全部氷炭さんのおすすめでした。普段から腰が重くて、気になっている場所へもなかなか行けないんだけど、友達が行きたくても行けないと知ると、俺が代わりに行ってくるぜみたいな気持ちになる。どんなモチベーション?

遊んでばかりで何も生産的なことをしなかったなブログ含め。創作に至ってはもう年単位でなんにも書いていない気がする。

最近で言えばドラクエ8も始めてしまっていよいよ遊びで忙しい。大人になってからの方がたくさんゲームで遊んでいる気がする。でもその大半は、子どもの頃に遊んでいたゲームだったりする。

幼少期って本当に周りに同年代がいなくて、だからパーティメンバーのいるRPGが好きだったのかもしれないとは、最近思うことだ。広いリビングの床に一人で座ってひたすらゲーム内のキャラクターと喋っていた記憶がある。今になってまた遊んでいると、昔の友達と話しているみたいでなんか泣きそうになることがある。

これも氷炭さんの勧めでファイアーエムブレム風花雪月を始めて、でも今は休んでいます。話すと長くなる話なのでここには書きませんが、クロードフォンリーガンへの想いを拗らせています。香水までつくりました。

 

 

前々から気になっていたグッドオーメンズを遂に完走しました。面白かった。昔の作品かと思っていたけど、シーズン2の公開なんて本当に最近だったんだね。

クロウリーが好きすぎるという話をして、「でしょうね」と言われる日々を過ごしています。まあ天使か悪魔で言えば悪魔だし、白か黒かで言ったら黒が好きです。あと長身で細身の男が好き。

もっと気楽なラブストーリーかと思って見始めたのに、想像以上に壮大な愛の話でたまげました。ここのメンバーに未視聴の人たちがいることを知っているので詳しい感想は割愛します。また何周か見ると思います。

 

それに反してバチェラー5はつまんなかったな〜感想を語っているときに氷炭さんが「なんのために恋愛リアリティーショーを見ていると思っているんだ」と言っていて非常にウケました。恋愛に狂っている人が見たいからです。

その点3は最高だし2もいいですよ。4は及第点ですが人によっては怒りで見るどころではなくなってしまうかもしれません。しかし休井美郷が可愛いので一見の価値ありです。

 

 

なんかテーマもクソもなくだらだら書いていてもこのぐらい書けるんだなと驚きました。長らくお待たせしました、よろしくお願いします。

きゃべつ⑤2023/07/03

ここ最近、よくいろんなモクリやウォッチパーティに誘ってもらって、自分が今まで一切興味のなかったものに触れる機会が多くなり、それがなんとなく嬉しいなと思える日々です。

元々私は「興味のないものには絶対に近づかない」人間でして、友人にオススメされた映画やアニメ、ドラマ、漫画も見ないし、本も読まない。母親からはよく「視野が狭い、もっといろんなものを吸収しろ」と口酸っぱく言われていました。まだ実家暮らしをしていたある年のお盆休み、母親から「暇でしょ?世界の宝石展に行こうよ」と誘われたのですが、私は暇だったわけではなく、当時趣味だった切り絵のためにお盆休み3日間を丸々空けて、部屋に閉じ籠って絵を切り続けていたわけです。私は「暇だと決めつけるな。これのためにお盆休みを使うって決めてたんだ。あと普通に宝石に興味ないし行かない」と遠回しに言ったら母親がガチでキレて拗ねて大変だったことがあります。

なぜこんなにも頑なに他人のオススメを拒んでいたかというと、自分が好きなものに時間を使いたかったから、かもしれないなと最近思います。大人になっていろいろお金や心の余裕が生まれ、何か一つに夢中になって他のことは目に入らないなんてことも減り、人のオススメに触れてみようかなという気持ちが湧いてきて、おかげで充実しています。友達がいなければバチェラーもコナンも見なかった。小川洋子中村文則星新一も読まなかった。ありがとうマイフレンドたち。

あと、今まで自分の好きなものを他人にオススメしたことがないんですが(否定されたら傷つくから)そんな真っ向から否定してくるような大人げないヤツはいないというのも最近分かりました。優しい社会で生きている。
この間、シロサンとだてちゃんと一緒にバイオの映画を見たんですが、正直「ほんとに見るの????これおもしろいかな????自信ないんだが????」と思ってたし、そもそも自分の好きなコンテンツを、それを全く知らない人に触れてもらう経験が初めてだったので「ほんとうは全然興味ないのに空気を読んでウォチパしてくれてるとかだったらどうしよ???」「初手からおもんないと思われたら1時間半くらい苦痛を与えるだけにならないか???」とか思ってました。いや、興味はそんなにないだろうけども。
まぁでも結果的に、初見の人の感想を聞くことができるのはめちゃくちゃ楽しいということが分かり、キタムラさんと見たときとまた違った感想をもらえたので良かった。キタムラさんはバイオを知ってるので盛り上がったし、シロサンたちは「そこ気になるんだ……言われてみりゃそうだな……」みたいなところをツッコんでて面白かったです。

食わず嫌いしないで何でも食べてみる事って大事ですね。
ただ「○○オススメだから見て!」だと後回しにしてしまうので「一緒に見よう!」と言ってくれると嬉しい。元気に感想を垂れ流す声のデカい人として皆さんのウォッチパーティを盛り上げます。また誘ってね。

キタムラ④2023/06/30

好きなものなんですか。趣味はなんですかと言われてここ二十年ほどは「漫画・アニメ」だと答えてきました。

今なら即答で「VTuber」だと言います。

ただ、この歳になってふと私の趣味ってこれだけしかないのかなと不安に思い始めました。

正直、漫画もアニメも最近追えてないし、ソシャゲも詳しいわけじゃない。

私の「好き」ってなんだろうと、三十手前になりわからなくなりました。

Twitterで人と繋がるうちに、酒が好き、料理が好き、美術が好き、文学が好きと多くの「好き」を見ているととても羨ましくなりました。上手いとか下手とかじゃなくて好きで楽しんでいる様子を見るとこっちも楽しくなって、見守ることが好きになりました。

 

見ているうちに私は好きかもというあいまいな気持ちを追求していないんだと気が付きました。好きかも。好きだなあ。その何となくの感情を見過ごして生きてきたんだと。

好きな絵の展示会に行ったり、気になる作家の本を買ったりせずにいいなあと思いながらも行動を起こさずにいたことを今になって後悔しています。

ぼーっと生きてきたんだなあとなんか恥ずかしくなりました

 

とりあえずは自分の好きなものを振り返ってみて、簡単に手を出せるところから「好き」を増やしていきたいなと考えています。

幸いにも行動力のある友人や知識が豊富な友人がいるのでいろんな情報を得て、いろいろ経験してみたいです。

 

いくつになっても趣味のある人生を送りたいなあと思う最近でした。

とりあえず七月に行くホテル雅叙園東京の浴衣プランが楽しみです。

ライラ_04_23/06/13

実家の猫が二十歳を超えました。祖父が九十一歳なのでどちらが先に死ぬかわかりません。文字通りのデッドレース。

祖父が足取り悪く杖を頼りに歩いているのに比べ、猫はカリカリを食べ、階段を登り、猫扉をぴょんと潜っているので元気に見えます。

ところがお年寄りときたら、ほんの一昨日まで元気にご飯を食べていたのに急に倒れて召されるということがままあるので油断できません。前にいたキジトラの猫は死ぬ一ヶ月前、残飯を盗み食いをしようとシンクの排水溝に手を突っ込んで爪が引っ掛かって抜けなくなり、「助けてぇ……助けてぇ……」と情けなく鳴いていたところを妹が爆笑しながら撮影していました。それからすぐ蝋燭が燃え尽きてしまったみたいに弱って動けなくなって、私にすぐ帰宅しろと連絡が来ました。新幹線の中でどうかどうか間に合ってくれと祈り、駅から直に動物病院へお見舞いに行ったのを覚えています。馴染みの獣医さんが、「危なかった。間に合ってよかった」と優しい眼差しで言ってくれました。猫は痩せ細り、病院のケージの中でぐったりしていました。喧嘩っぱやくてお茶目な彼が弱りきっているのがショックでした。皮と骨ばかりになった身体だけでなく、目が違いました。黄色からヘーゼルのグラデーションをした彼の瞳が、辛い、苦しい、と訴えていました。痛々しくて私は泣きました。

危篤になってからもどうにか生き延びさせようと点滴をしてもらったり、高カロリーなフードを食わせようとしたりしましたが、今思えば死ぬ前に家でたっぷり甘やかして、彼の大好物だった海苔を食べさせてやればよかったです。最後はぜえぜえと荒く息をしていて、私が抱き上げた瞬間に胃の中のものを吐き出して亡くなりました。苦しそうな終わり方でしたが、臨終の瞬間に私が抱き締めていられたのは幸運だったように思います。

今実家で元気に生きている二十歳の猫は、特に好物がありません。チュールでさえ好きではありません。ウェットフードもあまり食い付きがよくありません。強いて言うならシーバのキャットフードは好きなようです。何か猫におすすめの食べ物ありますか?

人間もそうですが、食べられなくなると彼らはあっという間に死んでしまいます。病気になったり高齢になったりして、弱ってからどれだけ生き延びるかは、どれだけ食い意地が張っているかに比例する気がします。栄養って大切。

夜、三〜四時間おきに起こされています。猫がまるで悲鳴のような大声をあげて人間を呼ぶからです。私は呼ばれる度に、ご飯をあげたり、撫でたり、ブラシをかけたり、トイレ掃除をしたり、腹を揉んだり、外を見せたり、腰を叩いたり、部屋をぐるっと歩くのに付き合ったりします。あまりにも眠くて行き倒れた振りをしてみるのですが、猫は許してくれません。耳元で腹の底からにゃお!にゃお!と鳴くのです。朝が来て猫が落ち着いて眠ったらで寝ます。限界です。育児や仕事をしていて眠れない全ての人間に昼寝をして欲しい。

でも仕方ありません。彼女は高齢で、体はしんどいだろうし、何か要求があっても喋れないんだから。もし会話できたら認知症になっていたりするのかしら。わからないけれど、若い頃と比べて毛並みは少しだけ悪いし、耳は遠くなっています。音がほとんど聞こえていないみたい。頭の真後ろで手を叩いても、ぴくりとも反応しませんから。そのおかげか、掃除機をかける度に目をまんまるにして耳を伏せて、大騒ぎで逃げ回っていた若い頃が嘘のように、掃除中もすやすや寝ています。そのことを考えると喋れなくてよかったのかも。耳が聞こえてないと会話をするのは大変だからね。

 

ところでさっき猫が吐きました。とっさにフローリングに運んだのですが、一気に吐くのが難しいらしく、三回くらいにわけて丸ごとのカリカリから液体っぽいものを吐きました。ちょっと不調なのかも。

その割にすぐご飯をくれと騒ぎ、今は母に撫で回されて満足した顔で寝ています。

 

とにかく猫の寝ている姿は愛らしい。幸せの形をしている。幸福とはかくあるべし、という寝姿です。

冬になると同じ布団で寝てくれるので幸せはひとしおです。

ちなみに猫と寝るのなら大きなベッドがおすすめです。シングルだと確実に身体を痛めます。私は高校生時代に首をやらかしました。でも可愛いから許しました。

 

ここまで、そろそろ日記が回って来そうだと書き溜めておいた文章です。

ちょっと書き足します。

 

猫、元気です。寝ています。さっきまで私がお腹を揉んでいました。大抵の猫は腹を触られるのを嫌がりますが、彼女はお腹の調子が悪いと人間にマッサージして貰いたがります。むしろ腹を触らないと不満げにします。

彼女と暮らすのは苦ではありません。昼寝はしたいし、食事中も撫でなければいけないのでもう一本腕が欲しくなりますが。わがままなおばあちゃんだけど、猫っていうのはどんなにわがままでも年寄りになっても可愛い。愛される生き物です。

ふわふわで幸せの体温を感じられるのも、長くてもあと五年くらい、短ければ今この時、これが最後かもしれない、と覚悟をしながら猫のぬくぬくした毛を撫でて、ごろごろ喉を鳴らす音を聞いています。幸福の象徴。温もりの具現化。長生きしてくれて本当にありがとうね。膀胱炎を繰り返し、神経質で臆病で、運動嫌いで、おデブだった君がこんなおばあちゃんになるまでこの家にいてくれるなんて思ってなかった。ありがとう。

あと千年生きて。

 

話は変わりますが、近くの駅ビルにユニクロが入りました。服難民の私にとっては最高です。あと近くに百均と家電屋と銭湯ができれば完璧です。

交差点にあった海鮮系居酒屋がコロナ禍で潰れてしまって残念。早く次のお店がオープンしないかな。日本酒が美味しいお店がいいです。ワインが美味しいお店はもうあるので。薬局が近距離に四店舗くらい大集合してるので、一つくらい百均になってもいいんじゃないかと思っています。ダイソーとセリアがあると嬉しい。百均なんてなんぼあってもいいですからね。あとスタバもできました。朝早くからオープンしていてかかりつけ病院の近くにあるのでこれまた最高です。モーニングしつつ順番待ちができます。

うちの近所にこんなものがあったらいいなって思うものは何ですか?

私は酒蔵が欲しいです。蔵で買うお酒って美味しいですよね。

ライラ_04_23/06/13

実家の猫が二十歳を超えました。祖父が九十一歳なのでどちらが先に死ぬかわかりません。文字通りのデッドレース。

祖父が足取り悪く杖を頼りに歩いているのに比べ、猫はカリカリを食べ、階段を登り、猫扉をぴょんと潜っているので元気に見えます。

ところがお年寄りときたら、ほんの一昨日まで元気にご飯を食べていたのに急に倒れて召されるということがままあるので油断できません。前にいたキジトラの猫は死ぬ一ヶ月前、残飯を盗み食いをしようとシンクの排水溝に手を突っ込んで爪が引っ掛かって抜けなくなり、「助けてぇ……助けてぇ……」と情けなく鳴いていたところを妹が爆笑しながら撮影していました。それからすぐ蝋燭が燃え尽きてしまったみたいに弱って動けなくなって、私にすぐ帰宅しろと連絡が来ました。新幹線の中でどうかどうか間に合ってくれと祈り、駅から直に動物病院へお見舞いに行ったのを覚えています。馴染みの獣医さんが、「危なかった。間に合ってよかった」と優しい眼差しで言ってくれました。猫は痩せ細り、病院のケージの中でぐったりしていました。喧嘩っぱやくてお茶目な彼が弱りきっているのがショックでした。皮と骨ばかりになった身体だけでなく、目が違いました。黄色からヘーゼルのグラデーションをした彼の瞳が、辛い、苦しい、と訴えていました。痛々しくて私は泣きました。

危篤になってからもどうにか生き延びさせようと点滴をしてもらったり、高カロリーなフードを食わせようとしたりしましたが、今思えば死ぬ前に家でたっぷり甘やかして、彼の大好物だった海苔を食べさせてやればよかったです。最後はぜえぜえと荒く息をしていて、私が抱き上げた瞬間に胃の中のものを吐き出して亡くなりました。苦しそうな終わり方でしたが、臨終の瞬間に私が抱き締めていられたのは幸運だったように思います。

今実家で元気に生きている二十歳の猫は、特に好物がありません。チュールでさえ好きではありません。ウェットフードもあまり食い付きがよくありません。強いて言うならシーバのキャットフードは好きなようです。何か猫におすすめの食べ物ありますか?

人間もそうですが、食べられなくなると彼らはあっという間に死んでしまいます。病気になったり高齢になったりして、弱ってからどれだけ生き延びるかは、どれだけ食い意地が張っているかに比例する気がします。栄養って大切。

夜、三〜四時間おきに起こされています。猫がまるで悲鳴のような大声をあげて人間を呼ぶからです。私は呼ばれる度に、ご飯をあげたり、撫でたり、ブラシをかけたり、トイレ掃除をしたり、腹を揉んだり、外を見せたり、腰を叩いたり、部屋をぐるっと歩くのに付き合ったりします。あまりにも眠くて行き倒れた振りをしてみるのですが、猫は許してくれません。耳元で腹の底からにゃお!にゃお!と鳴くのです。朝が来て猫が落ち着いて眠ったらで寝ます。限界です。育児や仕事をしていて眠れない全ての人間に昼寝をして欲しい。

でも仕方ありません。彼女は高齢で、体はしんどいだろうし、何か要求があっても喋れないんだから。もし会話できたら認知症になっていたりするのかしら。わからないけれど、若い頃と比べて毛並みは少しだけ悪いし、耳は遠くなっています。音がほとんど聞こえていないみたい。頭の真後ろで手を叩いても、ぴくりとも反応しませんから。そのおかげか、掃除機をかける度に目をまんまるにして耳を伏せて、大騒ぎで逃げ回っていた若い頃が嘘のように、掃除中もすやすや寝ています。そのことを考えると喋れなくてよかったのかも。耳が聞こえてないと会話をするのは大変だからね。

 

ところでさっき猫が吐きました。とっさにフローリングに運んだのですが、一気に吐くのが難しいらしく、三回くらいにわけて丸ごとのカリカリから液体っぽいものを吐きました。ちょっと不調なのかも。

その割にすぐご飯をくれと騒ぎ、今は母に撫で回されて満足した顔で寝ています。

 

とにかく猫の寝ている姿は愛らしい。幸せの形をしている。幸福とはかくあるべし、という寝姿です。

冬になると同じ布団で寝てくれるので幸せはひとしおです。

ちなみに猫と寝るのなら大きなベッドがおすすめです。シングルだと確実に身体を痛めます。私は高校生時代に首をやらかしました。でも可愛いから許しました。

 

ここまで、そろそろ日記が回って来そうだと書き溜めておいた文章です。

ちょっと書き足します。

 

猫、元気です。寝ています。さっきまで私がお腹を揉んでいました。大抵の猫は腹を触られるのを嫌がりますが、彼女はお腹の調子が悪いと人間にマッサージして貰いたがります。むしろ腹を触らないと不満げにします。

彼女と暮らすのは苦ではありません。昼寝はしたいし、食事中も撫でなければいけないのでもう一本腕が欲しくなりますが。わがままなおばあちゃんだけど、猫っていうのはどんなにわがままでも年寄りになっても可愛い。愛される生き物です。

ふわふわで幸せの体温を感じられるのも、長くてもあと五年くらい、短ければ今この時、これが最後かもしれない、と覚悟をしながら猫のぬくぬくした毛を撫でて、ごろごろ喉を鳴らす音を聞いています。幸福の象徴。温もりの具現化。長生きしてくれて本当にありがとうね。膀胱炎を繰り返し、神経質で臆病で、運動嫌いで、おデブだった君がこんなおばあちゃんになるまでこの家にいてくれるなんて思ってなかった。ありがとう。

あと千年生きて。

 

話は変わりますが、近くの駅ビルにユニクロが入りました。服難民の私にとっては最高です。あと近くに百均と家電屋と銭湯ができれば完璧です。

交差点にあった海鮮系居酒屋がコロナ禍で潰れてしまって残念。早く次のお店がオープンしないかな。日本酒が美味しいお店がいいです。ワインが美味しいお店はもうあるので。薬局が近距離に四店舗くらい大集合してるので、一つくらい百均になってもいいんじゃないかと思っています。ダイソーとセリアがあると嬉しい。百均なんてなんぼあってもいいですからね。あとスタバもできました。朝早くからオープンしていてかかりつけ病院の近くにあるのでこれまた最高です。モーニングしつつ順番待ちができます。

うちの近所にこんなものがあったらいいなって思うものは何ですか?

私は酒蔵が欲しいです。蔵で買うお酒って美味しいですよね。